3Dプリンター導入事例(かなお矯正・小児歯科クリニック様)

3Dプリンター導入事例(かなお矯正・小児歯科クリニック様)

3Dプリンターで歯型を造形 マウスピースの製作に活用しています。

かなお矯正・小児歯科クリニックは小児歯科と矯正歯科に特化したクリニックです。

歯並び治療では、いくつかの種類があり、歯の外側や内側にワイヤーをつけて治療するワイヤー矯正治療や、ワイヤーの代わりに透明なマウスピースを使うマウスピース矯正治療、外科手術を併用する矯正など、様々な治療法を用意。同クリニックでは3Dプリンターを活用し、歯型モデルを造形して矯正歯科の治療に利用している。

現在は主にマウスピース型矯正装置の製作工程でプリンターを活用している。
マウスピース矯正装置は、以前は粘土で歯形を取り、石膏を流して模型を1個ずつ歯に合わせて調整して製作していたマウスピース。3Dプリンターの導入により手間がかからず患者側と病院側の負担が減ったという。

歯科業界の3Dプリンターの導入・活用を推進している同クリニックの金尾 院長にお話を伺った。

お客様情報

社  名 : 医療法人COLORS かなお矯正・小児歯科クリニック

所在地 : 岡山県岡山市北区田益1296-1

創  業 : 2016年

ス タ ッ フ : 14名

事 業 内 容 : 小児歯科・矯正歯科

Webサイト : https://hahahahaha.jp/

この事例で登場した製品

EDEN260VS

高精細モデルを得意としたPolyJet方式。大きなモデルや複数モデルの同時造形も可能。

開業当時から3Dプリンタ活用を想定

貴院の事業について教えてください。

金尾院長:当院は小児歯科と矯正歯科の専門病院です。

小児歯科はご周知のとおりかと思いますが、矯正歯科は子どもから大人まで幅広い年代の方を対象に、歯並びを治す治療を行っております。

金尾晃院長

最近は矯正歯科治療を受けられる方は多いですか?

金尾院長:矯正治療が一般的にも周知されてきたため、お問い合わせや治療についてのご相談をいただくことが多くなってきていると思います。
最近は、矯正治療の方法について「マウスピース矯正はできますか?」など、患者様側から矯正治療に使う装置の相談をうけることもあります。

矯正歯科をされるきっかけは何かあったのですか?

金尾院長:学生のころから小児歯科と矯正歯科に興味を持っていたのですが、患者様と歯科医療者が協力し合って同じ目標に向かって一緒に治していけるということにやりがいを感じたところです。

3Dプリンターを導入されたきっかけは何ですか?

金尾院長:歯科用CTや口腔内スキャナの設備はあったのですが、パソコン上で閲覧することしかできなかったので、3次元のものを3次元のままプリントアウトすることをやってみたかったというような「興味があったこと」から始まりました。

3Dプリンターの精度と速度がポイント

そこで、ストラタシス社を選ばれた理由は何ですか?

金尾院長:ストラタシス社のプリンターを使用する以前は、他社のプリンターを使用していましたが、仕事に使用できるような精度ではないことやスピードに問題があったように感じました。
プリンターでのエラーを極力無くしたいと思い、思い切ってストラタシス社を導入しました。

歯科業界での3Dプリンターの活用が注目されているということですか?

金尾院長:口腔内スキャナが開業医の歯科医院でも普及し始めてきているため、今後は3Dプリンターも利用されていくと思います。

3Dプリンターで歯型を造形しマウスピースを作製

3Dプリンターはどのように活用していますか?

金尾院長:矯正治療のために必要な矯正装置を製作するために使用しています。
歯並びを改善させるための予測模型を3Dプリンターでプリントアウトしたのちに透明なマウスピース用のシートをプレスして矯正装置を製作するために活用しています。

従来の工程は手間と時間とコストがかかっていた

従来の工法はどのようなものでしたか?

金尾院長:従来は口腔内にシリコンの歯型材を入れて歯形を採ります。その歯型に石膏を流し込み、石膏模型を製作します。石膏模型で動かしたい歯を金鋸で一本ずつに分割します。

最初の位置がずれないようにワックスで固定した状態から歯並びがきれいになるように歯を移動させます。一回の移動量は0.1~0.3mmとわずかですが、この状態で歯型材を使用し石膏模型を起こします。
この流れを数回繰り返し複数の石膏模型を製作します。
製作した模型に透明なマウスピース用のシートをプレスしてカットして研磨を行い最終的なマウスピースを作ります。

歯科業界で3Dプリンターを活用する際の注意点はありますか?

金尾院長:用途に合った精度に応じて3Dプリンターを選ぶことが大事です。また、機種だけでなく使用する材料も注意が必要です。
口腔内に使用できる材料もありますが、口の中に入れることで為害性のある材料もあります。

3Dプリンターを導入してからどれくらいで軌道に乗りましたか?

金尾院長:比較的早く、2か月程度で軌道に乗りました。

そのあとすぐに3Dプリンターを増設されましたね?

金尾院長:矯正装置を製作するために重要な役割となり、故障時のバックアップ機として増設しました。

何名のオペレータがいらっしゃいますか?

金尾院長:スキャンされたデータをCADで編集するのは2名です。

歯型をデータ化したモデルを歯並びまでPC上でシミュレーション

データはどのように作成されていますか?

金尾院長:口腔内スキャンして3DのCADで編集しています。歯科用CTデータと重ね合わせて設計できるソフトウェアを使用しています。

3Dプリンターのメリットは何だと考えますか?

金尾院長:当クリニックで矯正装置を製作のための大幅な生産性の向上が達成できましたが、今後もアイデア次第でなんでもできるような夢があることでしょうか。

今後歯科矯正の業界はどのように変化していくと考えますか?

金尾院長:矯正歯科の分野では、よりデジタル化が進むことにより、診療や診断の補助ツールとして利用することができると思います。

その中で3Dプリンターの存在が必要になると考えますか?

金尾院長:必要になってくる場合が多いと思います。

3Dプリンター導入前と導入後の工程比較

より良い医療をできるように夢を持ちながら発展させたい

今後3Dプリンターをどのように活用したいとお考えですか?

金尾院長:精度の高い治療ができるようにアイデアを形にしながらより良い医療をできるように夢を持ちながら発展させていきたいと思います。

ぜひその結果もお知らせください。ありがとうございました。

ご協力ありがとうございました。

※上記コメントはお客様の個人のご意見・ご感想であり、当社の見解を示すものではありません。

この事例で登場した製品

EDEN260VS

高精細モデルを得意としたPolyJet方式。大きなモデルや複数モデルの同時造形も可能。

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