自動車の設計・製造には欠かせない3Dプリンタの活用

自動車の設計・製造には欠かせない3Dプリンタの活用

自動車業界における活用事例

自動車業界の大手メーカーであるBMW社やJaguar Land Rover社 さらにMinimizer社のようなアフターサービスのプロバイダーは、自動車の設計と製造を加速するものは3Dプリンティング他にないと気づいています。

樹脂ベースの部品の場合は、Objet Connexにとって追い風となる傾向があり、現在では生産量の3分の1を超えています。

背景

Jaguar Land Roverは、2008年夏にObjet Connex500を導入しました。3Dプリンタは、2つの異なるマテリアルを組み合わせて最善の属性を引き出し、優れたモデルを提供するマルチマテリアル機能によって選ばれました。

JaguarとLand Roverという2つの世界的な優良ブランドは、2000年から、初めはFord Motor Companyの一部として、現在ではインドのTATA Groupの英国ベースの一翼として、単一所有権の下にあります。

2つのブランド名は、もともと全く別の視点で名付けられました。最初のJaguar SS100は、初の時速100マイルの手頃なスポーツカーとして1935年に発売されました。クラシックなラインと高性能を備え、スピード、快適さ、レースに勝ち抜くことで評判を得たJaguar車の顕著なラインアップのインスピレーションとなりました。

対照的に、1948年に作られた最初のSeries 1 Land Rover 80は、完全に異なる属性を持っていました。つまり、頑丈で飾り気のないデザインとオフロード機能を持つ‘万能車’です。今日、Jaguar Land Rover(JLR)によって製造される8つの車両製品群があります。これらの製品群は、市場において優良な位置を占めています。

Jaguar Land Roverの人員のほぼ20%は製品開発のために採用されており、社内試作や金型では最新のCAD技術を利用して迅速なデザインを立証しています。CNCモデル作製と設備の整った金属加工やツール作業所に加えて、プロトタイプ機能として、SLA、レーザー焼結やポリマー噴射技術を使ったさまざまなRPマシンを含みます。

CADデータから直接部品をプロトタイプ

Jaguar Land Roverは、樹脂ベースのRPプロトタイプ機能を拡大するために、2008年にObjet Connex500に投資しました。エラストマー、ゴムライクマテリアルとCADデータから直接モデルを作製し、作業メカニズムを作り出す機能は、開発サイクルの低減に寄与する他の重要な利点でした。その機能を証明するために、Objet Connexは当初、Range Rover Sportに対して完全なフェーシャエアーベントアセンブリを製造する仕事を課されました。

これは、ハウジングと空気偏向ブレードに対する硬質マテリアルと、制御ノブとエアシールに対するゴムライクマテリアルを用いてモデル化されました。Jaguar Land Roverは、単一プロセスで、作業の一部として、完全なフェーシャエアーベントをプリントすることができました。プリントされると、このモデルはObjet Connexから取り出され、直ちに洗浄、テストを行い、ブレードのヒンジがすべて作動し、制御ノブが正しい形と感触をもっていることを証明しました。

3Dプリンタのバックボーンは、その3Dインクジェット技術です。2種類の特徴的なモデルマテリアルをマトリックス構造内の予め設定した組合せで噴射することで、異なる機械的、物理的特性ならびに仕上げをもったさまざまな柔軟性、剛性のマテリアルを造形することが可能です。この技術を利用して、Jaguar Land RoverのObjet Connexは、5000時間の運転を重ねて、2500個を超える部品をプリントし、600kgの樹脂を使いました。

Objet Connexの生産性と信頼性の証として、3Dプリンタでは、最適な品質を維持するためにObjetが推奨する間隔で、今回は、若干のメンテナンスと全体でわずか5回のヘッド交換しか必要なかったことがあります。

チームとして3Dプリンタの機能を活用する新しい方法を見出したため、Objet Connexで作製した部品数は着実に増加しました。Jaguar Land Roverが毎年プロトタイプを作製する数字は30,000部品のうち依然としてわずかな割合ですが、その多くは、レーザー焼結されています。

樹脂ベースの部品の場合、この傾向は、Objet Connexにとって追い風となっており、現在では生産量の3分の1を超えています。
興味深いことに、Objet Connexは、多くの場合、そのスピードと後処理が簡単という理由で、単一マテリアルの剛性部品を製造するために使用されています。
マルチマテリアルモードでは、様々な活動で使用されます。その活動として、ノブ、スイッチ キーフォブなどのスタイリングやHMI(ヒューマン/マシンインターフェイス)の概念設計があります。

フィットと機能テスト

オーバーモールドもObjet 3D Printing Systemの重要な機能です。

2つのマテリアルが使われていますが混合されていません。
これにより、例えば、ゴム製シール付きカバーを造形します。サポート除去を行うと、アセンブリは、フィットと機能テストで直接使用できます。

Objet Connex利用の他の主要領域として、ドアのシールと保護ゲートルの開発があります。
ここでは、非剛性のTango Black Plusだけを使用します。最近になって、機能テストのための部品の造形も行うようになりました。

Objet Connexの機能の最大の利用者は、Jaguar Land Roverのスタイリング部門です。

Objet 3Dプリンターで造形したあらゆるもの半分以上は、新しいデザインの提案を完成するためにデザインスタジオに送られます。

良い例が、フロントガラスを5回洗浄するたびにヘッドライトを広げて洗浄する全伸縮ヘッドライト洗浄システムの造形でした。
Objet Connexでプリントしたコンポーネントは、厳密なテストで十分に堅牢であることが証明され、高価な金型段階に移る前に設計を証明することができました。

Objet Connexの異なる属性は、明らかに、上記のアプリケーションに対するさまざまな方法で役立ちます。

要約すると、Jaguar Land Roverにとっての一般的な利点は、高い精度と寸法制御で良好な部品定義と、簡単な操作、高い造形速度と簡単なクリーンアッププロセスによる高速のターンアラウンドがあります。
具体的には、Objet Connex 3Dプリンタは、他の手段では時間を浪費したり、高価だったりしたCADデータから直接部品をプロトタイプ造形する機能が優れた効果を発揮しました。

この事例で登場した製品

Connex500

高精細モデルを得意としたPolyJet方式。大きなモデルや複数モデルの同時造形も可能。

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