FRP成形型を3Dプリンターで造形する
2023年08月31日
FRP製品は、バスタブや自動車・航空・船舶などサイズが大きく耐久性が高い製品づくりに広く活用されています。それを造るには成形型が必要ですが、その成形型を3Dプリンターで造形する方法についてご案内いたします。
負担が大きかった従来のFRP成形型の製作フロー
新しいFRPによる製品を造る際や、FRP材料の特注に対応するには、成形型が必要です。
型づくりの際は、切削加工により木型を造り、雄型・雌型を揃える等の工程が必要であり、約19の工程があると言われます。
FRP製品はバスタブや船舶などサイズが大きいものが多く、型作り含め職人的技術に依存している傾向があります。
FRP成形型を3Dプリンターで造形する
FRP(CFRP、GFRP、KFRP)などのコンポジットマテリアルの製造現場では、職人技による型の製作が必要になります。
特注品のハンドレイアップのFRP型や、熱成形型、RTM型や熱可塑性複合型、さらにはFRP型を製作する元となるマスター型などの造形において、型を3Dプリンターで造形することが可能な3Dプリンターが、大型造形を得意とするMassivit社から登場しました。

成形型ができる原理
FRP成形型を造形できるのは、CIM(Cast In Motion)というMassivit社オリジナルの技術です。
簡単に表現すると、CIMでは3Dプリンターで「型を造るための枠」を高速に造形し、その枠の中に高性能のエンジニアリングエポキシ材料を流し込み、硬化させることで成形型を造形します。
「型を造るための枠」は水に浸すことで容易に砕けるため、除去が容易です。残った成形型を後加工で仕上げて完成です。
FRP用の成形型ができるまで

このCIM技術により従来のFRP成形型製作時に必要であった約19工程を4工程に圧縮し、短期間でFRP成形型の造形が可能になりました。
まとめ
Massivit10000によるFRP成形型の造形によって、手間と期間が掛かり職人技に依存している従来工程に対する改善が期待され、既にバスタブメーカーや船舶メーカー等で導入されています。
自社の型は3Dプリンターで造形可能か、検討されたい方はお気軽に弊社にご相談ください。